【薬膳インタビュー】神秘な「気」の力(医師・田麗)

神秘な「気」の力

-ストレスを軽減し、健康な暮しを目指す気功太極拳-

近年、太極拳は健康増進や心身のコンディションづくりの一環として、世界的に広く注目されている。
太極拳は、中国における悠久の歴史の中で培われた武術の1つであり、
「動のなかの静、静のなかの動」という陰陽説に基づいて、
意識的な呼吸を用いた高度な精神集中を行う運動である。

「気」は、太極拳運動の重要な要素の一つであり、
中国古代の治療法-導引術や吐納法の中に既に利用されていた。
中国医学(中医)において「気」と「血液」の学説は中医理論の重要な構成部分であり、
古くから臨床に応用されている。
《皇帝内経》―中国の最も古い医書の中に「気為血之帥,血為気之母」、
「気即無形之血,血即有形之気」、「気滞血鬱」などと言った論述がすでに記載されている。
これによって「気」と「血液」は人間の体を構成し、生命を維持する重要な物質とも言える。
「気」と「血液」は体の中で順調に流れると、人間の体は健康である。
従って「気」と「血液」の疎通は病気の治療となる。
「気」は「内気」と「外気」に分かれている。生まれつきのものと食べ物に由来したものは、
「内気」と呼べ、呼吸による自然の空気は「外気」と呼ぶ。
さらに「気」は内臓の間に循環し、内臓を養う「営気」と、皮膚および皮下に循環し、
体の表面に防衛する「衛気」がある。
中医は、どの部分の「気」が障害され、どこで滞っていることを診断することによって病気の治療を行われている。

最近、太極拳運動の効果について多くの研究が行われている。太極拳運動は有酸素運動である。
太極拳運動時に全身の筋肉を弛め、
力を抜くことによって血液循環は良くなり、
心臓への負担が軽減し、血圧が下がり、血管の弾力も増加する。
そしてゆっくり、長い深いといった呼吸は肺機能が高められる。
横隔膜の昇降によって内臓が動かされて、内臓機能も高められる。
さらに内臓の動きは、内脂肪の燃焼を促進し、肥満の予防が出来る。
太極拳運動は、腰足の筋肉が鍛えられ、転倒予防にもできる。
散歩しながら本を呼んでいるよう状態とも言える太極拳の研究結果では、
太極拳が交感神経及び副交感神経を活性化し、ストレスを軽減する効果があると言われている。

神秘な「気」の田先生

これは全て「気」の力によるものである。太極拳運動は、この「気」を使用し、
心身共に鍛えて人間の体に本来の秘められた潜在能力を自然に引き出すことで、
健康が維持できる。これは、太極拳の特徴であり、他の運動と異なる部分でもある。

神秘な「気」の力木漏れ日

現在、太極拳運動は、色んな医療現場で取り入られている。
特に現代のストレス社会において我々は、
太極拳運動を通してこのような「調身」―力を抜いて正しい自然な姿勢を取り、
「調息」―深く意識的に呼吸を心がけ、「調心」―雑念を払って無念無想の境地になる。
最終的にストレスを軽減し、より健康な暮しを目指す。

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