薬膳の「補・瀉・調」

薬膳の「補・瀉・調」

薬膳は中医学理論に基づき、方剤の処方と同じように一定のルールに従って、目的に合わせ、
「補」足らない物を補う、「瀉」いらない物を除く、「調」陰陽を調和するに分けられます。

中医学では女性では28歳、男性では32歳を目安として、勢いのあった身体は老化へと向かうと言われています。一晩寝ても疲れが取れない、体が冷えるようになった、気力がでないときは食べ物の力を借りて体を補うことが必要です。また、体に邪気(病気の原因)が侵入してきたときや臓腑機能の失調での発熱や頭痛、咳、めまい、胃のもたれ、便秘など体にいらない物があるときは除き、季節の変化、ストレスなどで体や心の不調を感じたら病気になる前に陰陽のバランスを整える事が大切です。

ほんの一例ですが「補・瀉・調」の例を取り上げてみましょう。

例)補(足らないものを補う)

「補気」 元気がない、気力がない、疲れやすいときは
(もち米、山芋、蜂蜜、南瓜、椎茸、大豆など)で気を補う。
「補血」 皮膚にツヤがない、目がかすむ、頭がふらつく、貧血状態のときは
(人参、ほうれん草、黒木耳、ひじき、レバー、赤身肉、青魚など)で血を補う。
「補陰」 のぼせ、熱感、口の渇き、熱証をともなった性機能減退があるときは
(卵、スッポン、蠣、イカなど)で陰液に栄養を補う。

例)瀉(いらないものを除く)

「清熱」 「清熱」熱性のニキビ、口内炎、尿が黄色いときは
(緑茶、きゅうり、梨、ワカメ、豆腐、大根など)で熱のこもりを除く。
「利水」 浮腫みなどで体が重たいときは
(はと麦、トウモロコシ、冬瓜など)で利尿し、いらない水分除く。
「消食」 暴食による膨満感があるときは
(大根、大葉、山査子など)で胃の中の停滞物を取り除く。

例)調和(季節と体内のバランス、精神的バランス、体の不調を病気になる前に整える)

季節とのバランス 冬の寒さで体が冷えるとき
(葱、生姜、香菜、ニラ、海老、胡桃、唐辛子、コショウなど)で体を温める。
精神的バランス ストレスで緊張したら
(柚子、陳皮、ジャスミン、ミントなど)で気分をリラックスさせる。

...補・瀉・調の詳しい分類と食材は次回お伝えします。

おばんざい薬膳 -楽食Story-(らくしょくストーリー)
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