【薬膳インタビュー】薬膳体質の基本を聞いてきました!
楽食Stroyのスタッフが、薬膳について学び始めてから疑問に思ったことをインタビューしてきましたので
そのレポートをお届けします。
インタビューにお答えいただいたのは、国際中医薬膳管理師会会長の和田 暁先生です。
薬膳は身近なものです
国際中医薬膳管理師会会長 和田 暁先生
スタッフ薬膳というと、すごく難しい、固いというイメージがあります。
薬膳という言葉からは、漢方、生薬という言葉も連想してしまい、より一層難しく感じてしまうのですが・・。それぞれどのような違いがあるのですか?
和田先生薬膳とは身近にある食材の薬効を使って身体を整える、食養生のことをいいます。
足りないものを補ったり、滞っているものをめぐらせてバランスの取れた身体にすることですね。
生薬というのは、その薬効の力が強いものを指します。力が強いので、集中的に補いたいときに使います。
東洋医学では、薬膳をベースに身体を整え、生薬を補助的に使います。
漢方薬とは、体質に合わせた生薬を組み合わせて飲む薬のことです。
薬膳と漢方薬との違いは、薬膳は体質に合わせて食材の効能を組み合わせて作られるもので
漢方薬は、それでも効果がないときに補助的に使うものです。
身体の基本は「気」「血」「水」です
スタッフなるほど!薬膳は、普段から取り入れられる身近なものなんですね。
それにしても、体質やそれに応じた食べ物など、いろいろ聞きなれない言葉や分類が難しくてとても身近なものには感じられません。わかりやすく分類するとどうなりますか?
和田先生まず、基本をおさらいしておきましょう。
私たちの身体は、「気」、「血」、「水」が絶えず全身を巡り各臓腑の機能を維持し、活性化させています。ですから、この気、血、水が少なすぎでもだめ、巡らず滞っていてもだめなのです。必要な量が滞りなく巡り、バランスのいい状態であることがベストなんですね。
身体の声を聞いて今自分がどういった状態かを判断し、これらのいずれかが足りなければ補い、滞っていれば巡らすような食事を心がけるといいでしょう。
自分に合う洋服を選ぶのと同じように、食べ物も自分に合うものを選ぶということですね。
薬ではないので、良いとされる食材はたっぷり摂って良いですよ。
【気】
気とは、人が生きていくために必要な活動を支えるエネルギーのことです。
気が不足すると、体がだるい、病気にかかりやすいといったことになり、
気が滞ると、頭痛がおこりやすくなり、自律神経のバランスが崩れたりします。
少ない | 滞る | |
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中医学的体質でいうと・・ | 気虚 | 気滞 |
症状 |
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食べたらよいものの目安 | ほくほくしているもの | しゃきしゃきした野菜、サッパリしたもの、香りのするもの |
食材 | きのこ類、豆、かぼちゃ、さつまいも、栗、豆乳、あんこ(甘みのついていないものも売っています) | バラ、ミント、金木犀(きんもくせい)、陳皮(ミカンの皮)、カモミール、ジャスミン、ゆず |
こんなメニューはいかが? | コーンポタージュ、豆乳ポタージュ、栗のポタージュ、きなこドリンク、甘酒 シナモンを振りかけると効果的です |
野菜の和え物、ミントティー、ハーブティー、野菜のポン酢和え |
調理法 | - | 豆などを煎るのは避けた方が良いでしょう |
【血】
血液のことを指します。(厳密に言うと、血≒血液です)
脈の中を運行して内臓や各組織に必要な栄養分を与える物質です。
血が不足すると、髪がパサついて抜けやすかったり、貧血だったり、精神も不安定になります。血が滞ると体のいたるところで痛みが起こったり、しこり、肌が黒ずんできたりします
少ない | 滞る | |
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中医学的体質でいうと・・ | 血虚 | お血 |
症状 |
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食べたらよいものの目安 | 赤くて甘ずっぱいもの、しっとりしているもの。実や種など。 | 赤色のもので香りがするもの |
食材 | ベリー類(クコの実、くわの実、ブルーベリー、干し葡萄)、真っ赤な桃 | バラ、べに花、ローズマリー |
こんなメニューはいかが? | ベリー類をゼリー、サラダに入れてもアクセントになって美味しいです。 | 簡単ローズウォーター(1.5ℓのペットボトルにローズを10個ほど入れ毎日飲む)、黒酢を入れたサワードリンク |
【水】
水は、津液ともいい、体内の水分のことを指します。
体全体を潤し、体内を循環して体温調節や関節の働きをなめらかにします。
津液が不足すると、ありとあらゆる部分に乾燥症状がでてきます。津液が滞ると水分(津液)がネバネバしてきますので、糖尿病、動脈硬化性の高血圧、脳卒中などを発症する可能性があります。
少ない | 滞る | |
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中医学的体質でいうと・・ | 陰虚 | 痰湿 |
症状 |
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食べたらよいものの目安 | 水分の多いもの ネバネバしたもの |
- |
食材 | 白きくらげ、梨、山芋、えのき、白胡麻、レンコン | はと麦、トウモロコシ(ひげの方がより良い)、豆類(空豆、小豆(皮のまま)) |
こんなメニューはいかが? | 杏仁豆腐、白木耳のフルーツポンチ | はと麦ご飯(はと麦とご飯を半々で炊くと良い。1食45g程度。)、コーン茶、おかゆ、小豆ご飯(しぶ取りをせず、下湯でし、ゆで汁と一緒にご飯を炊く) ジュースの多量摂取は避けましょう。 |
調理法 | 水分を飛ばすような調理法(焼くなど)は避け、蒸したりスープにして、水分を飛ばさないようにしましょう。 | - |
スタッフこれならわかりやすいですね。
調理法も関係するんですね。これはついつい忘れてしまいそうです。
和田先生調理法はあまり難しく考えず、わからなかったら、「炊く」、「蒸す」、「煮る」のいずれかでいいですよ。これらの調理法は中間的な調理法です。
スープもいろんな栄養素が取れて、どんな体質にも合う調理法です。
『身体に合わせた食事を取ることがとても大切です』と和田先生
スタッフわかりました。ところで体質は、変わるものなのでしょうか。
和田先生基本的には生まれ持ったものや長い生活習慣、食事で培われてきたものなのですぐには変わりません。
基本の体質をおさえて、常にその体質の傾向が強く出てこないような食事を心がけることが大切です。
また、基本の体質の上にそのときの環境や季節、状況によっても色々な症状がでてきます。
本来の体質にあった食事を基本に、そのときの症状に対する食事をプラスして養生するのが良いですね。
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スタッフありがとうございます。最後に一つ・・・
きれいになる食材はありますか?
和田先生白木耳は、「庶民のフカヒレ」と呼ばれています。
価格は低価格なのに、フカヒレ並の美肌効果があります。
乾燥したものがよく売られているので水で戻すか、煮てとろとろにして食べるといいですよ。
あと、先ほどお話した簡単ローズウォーターもおすすめです。
スタッフ白木耳と簡単ローズウォーターですね!
早速やってみます。
ありがとうございました!
和田先生と黒川先生
インタビューの終了後は、駆けつけてくださった黒川先生も一緒に薬膳食材をカクテルに入れて乾杯しました!
- ドライマティーニ+ローズ
- グレープフルーツカクテル+クコの実+五味子(ごみし)
- ジンジャーエールのカクテル+きんもくせい
ドライマティーニ+
ローズ
グレープフルーツカクテル+
クコの実+五味子
ジンジャーエールのカクテル+
きんもくせい
ローズ、クコの実、
五味子、きんもくせいetc・・
プロフィール |
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【和田 暁】
上海中医薬大学卒、同大学付属病院漢方医師として勤務後、昭和大学研修のため来日。同大学教授、
著書: |