中医学的体質について

私たちの身体は、「気」、「血」、「水」が絶えず全身を巡り各臓腑の機能を維持し、活性化させています。
この、気、血、水がバランスよく身体を巡っている状態が健康であり、不足していたり、巡っていない(滞っている)状態を6つにわけて表します。

また、体質は1つだけとは限りません。当てはまる項目が多い場合は、それぞれの体質の対処法を参考に取り入れましょう。

【気について】
「気」とは、人が生きていくために必要な活動を支えるエネルギーのことです。
元気、やる気、気を失う、気が抜ける、気が強い、雰囲気・・・など
日本語には沢山「気」を使った単語があります。
どれも目でみることはできませんが、「気」についてのイメージや概念は、何となく持って頂けると思います。

人がもつ根本的なエネルギーである「気」は、絶えず体を一定のペースで巡り、体を温めて血液、リンパ(液)をスムーズに流し、内臓の正常な活動を維持させています。
【血とは】
「血(けつ)」とは、血液のことを指します。(厳密に言うと、血≒血液です)
脈の中を運行して内臓や各組織に必要な栄養分を与える物質です。

「血」は全身を絶えまなく流れていますが、自分だけでは運行できない性質のため「気」の力を借りることで初めて循環できるようになります。

「血」と「気」は密接な関係を保ちながら、人間の生命活動を支えていますので、「気」が不足したり(気虚)、滞ったり(気滞)、その巡りが悪くなれば自ずと「血」の巡りも悪くなります。

また「血」は生理活動だけでなく、精神活動にも大きく影響しているとされ「血」が脈(管)の中をスムーズに流れることができれば精神が安定すると考えられています。
【水(津液)とは】
水(津液)とは唾液、涙、汗、関節の滑液、髄液など、体内の水分のことを指します。
体全体を潤し、体内を循環して体温調節や関節の働きをなめらかにします。

「津(しん)」「液(液)」にはその性状、機能、分布部位の違いによって区別があります。

「津」→性質が希薄で粘り気がなく、主に広範囲に分布し体表を(皮膚、筋肉など)潤します。
「液」→性質が比較的濃厚で粘り気があり、骨、内臓、脳、髄などを潤し関節運動を円滑にします。

「津液(しんえき)」は血管内では血液ですが、血管から出て細胞間に入るとリンパ液になり、細胞内に入ると細胞内液となります。
水の巡りが悪くなったり、体内の水を処理できなくなったりすると、細胞間や各組織に必要以上の水がたまり、むくみやめまいアレルギーなどさまざまな不調を引き起こします。

また「津液」は「血」と同じく自ら流れることができないため「気」のエネルギーを利用するのですが、こちらも気に不調があれば、津液(水)の巡りも悪くなります。

【気】
人が生きていくために必要な活動を支えるエネルギーのこと

気虚気滞

【血】
脈の中を運行して内臓や各組織に必要な栄養分を与えるもの

血虚お血

【水(津液)】
体内の水分のこと体内を循環して
体温調節や関節の働きをなめらかにするもの

陰虚痰湿

【気】

不足 滞る
体質 気虚気虚
詳しくは「気虚」のページへ
気滞気滞
詳しくは「気滞」のページへ
特徴 気力がわかない ストレスを感じやすい
症状
  • だるい
  • 疲れやすい
  • 汗をかきやすい
  • 動くと症状が悪化する
  • お腹が張る
  • ガス、げっぷ、ため息がでる
  • 喉が詰まった感じがする
  • 便秘と下痢を繰り返す
食べたらよいもの ホクホクして、自然な甘みのもの サッパリとした香りのもの
生活アドバイス 冷たいものや激辛ものは極力控え、胃腸を守ってあげましょう。 深呼吸をこころがけ、ヨガなどの呼吸を入れ替える運動でリフレッシュしましょう。

【血】

不足 滞る
中医学的体質でいうと・・ 血虚血虚
詳しくは「血虚」のページへ
お血お血
詳しくは「お血」のページへ
特徴 顔色が青白く艶がない 唇の色が暗い
症状
  • 不安症
  • もの忘れしやすい
  • 髪の毛がパサつく
  • 貧血ぎみ
  • 顔色がくすみ、シミ、そばかすが多い
  • 生理痛がひどい
  • 慢性的な肩こり・頭痛がある
  • アザができやすい
食べたらよいもの 実や種などの赤くて甘ずっぱいものでしっとりしているもの 赤、紫色のもの、バラ科の花
生活アドバイス 過激なダイエットは控え、少しでも3食きちんと食べましょう。 肩回しや関節の曲げ伸ばしなどの体操をこころがけましょう。

【水】

不足 滞る
中医学的体質でいうと・・ 陰虚陰虚
詳しくは「陰虚」のページへ
痰湿痰湿
詳しくは「痰湿」のページへ
特徴 体の中や外が乾燥している 血中コレステロール、中性脂肪、体脂肪率が高め
症状
  • 肌がカサカサする
  • 便秘またはコロコロ便が出る
  • 口や喉が渇いて、冷たいものを欲しがる
  • 手足のほてりや夕方に微熱が出る
  • 肥満気味
  • 肌が脂っぽく、吹き出物ができやすい
  • 痰や唾がよく出る
  • 体がだるく浮腫みやすい
食べたらよいもの 水分が豊富な野菜や果物、トロトロしたもの 昆布や海藻、はと麦などの淡味のもの
生活アドバイス 激辛のもの、強いお酒は控え、水分補給をこころがけましょう。 甘いもの、脂ものは控え、適度な運動をこころがけましょう。

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